働く女の日記帳

何者でもない普通の者が書きたいことを書いています

とんだ小淵沢旅行 タダより高いものはなし

SNSで結成された音楽愛好会で知り合った男性Tが小淵沢に移住し、GWに遊びに来ないかと誘いを受け、特に予定がなかった私は、行くことにしました。たまには田舎もいいだろうという思いもあったし。しかし、この選択が帰郷後、モヤモヤとした気分を抱えてしまうこととなりました。

 

4月27日(土)

4/27(土)、11時12発の特急あずさで新宿を出発しました。有名なチキン弁当を買うつもりでしたが、駅弁コーナーがいっぱいで、しかたなく隣のニューデイズでおにぎりとお茶を買いました。やはり、JR特急や新幹線最大の楽しみは何といっても「駅弁」です。なのに、それをじっくりと味わうこともできず・・・。後ろのお客さんがチキン弁当を食べているのを横目に、ちょっと残念な気がしました。帰りに、この東京で一番人気のお弁当を絶対に買ってやる!と決め、特急あずさに乗りました。

そうこうしているうちに小淵沢駅に着き、久しぶりにTさんと再会しました。Tは、Tの地方移住やアウトドア好きと、そうではない元妻との間で亀裂が生じたらしく、結局離婚。現在はシングルです。

実は、私は彼がシングルと聞いて不安が少しありましたが、新宿から約2時間で行けるので、たまには自然を見るのもいいだろうということで、出かけることにしました。

小淵沢駅に着いたとき、Tが迎えに来てくれて、Tの自宅に直行しました。部屋に入った途端、タバコの臭いに、この旅行を楽しめるだろうか?と一瞬たじろいだけど、南アルプスの山々の絶景に触れれば、少しは気分も良くなるだろうと思い直しました。この日の16時頃行った甲斐大泉の露天風呂(もちろん男女別)から一望できる南アルプスはとてもきれいでした。これは東京では絶対に見ることができない景色です。

露天風呂で入浴後、スーパーで買物をして近隣の洋食屋で食事をしました。近隣といっても、東京近郊の「自宅から近隣」の感覚とは違います。車で10分ですが、歩けば小一時間かかりますので、歩けるような距離ではありません。それでも、何もない田舎では車で5分〜10分は近隣です。

食後、Tの自宅に戻り、温泉帰りに買ったワインを飲みながら、ポテトチップ、チーズ、ピーナッツをつまんで色んな会話をしました。小淵沢に移住するまでの経緯、前の奥さんのこと、会社員をしていたときのこと、クラシック音楽を結構聴くこと、など、親しい人にしか話さないプライベートのことをたくさん聞きました。そして、「◯◯さん(私のこと)が俺を好きになってくれたら、本当にうれしいんだけど・・。」などと言われました。

私はTのことを友だちくらいの認識しかなかったので、正直、今も戸惑っています。恋愛は「好きな人からは好かれず、どうとも思っていない人からは好かれてしまう。」です。その日の夜は、とても居心地悪い気持ちで床についたのは言うまでもありません。こんなことなら、甲府のホテルを予約するか、誘いに乗らないほうがずっと良かったと後悔しました。Tがよくある「据え膳食わぬは男の恥」と言わんばかりの行動に出なかったのは、本当に不幸中の幸いです。その辺は紳士的な人でした。

いくら女のほうが友だちとしか思っていないとしても、男は豹変します。なので、絶対に独り身の男性の家に上がってはいけません。ぶっちゃけ、私は頭の片隅に邪な気持ちがなかったわけではありません。もしも上がるなら、ある程度関係性が進み、一線を越えてもいいと思える人であること、自分で責任が取れ、割り切れるならお上がんなさいまし、ってことです。

 

4月28日(日)

もう、天ぷらそばを食べて帰ろうとか、富士山5合目に行きたい気持ちは薄れ、一刻でも早く東京に戻りたくて、10時50分の特急あずさで帰京しました。天気はめちゃくちゃ良かったけど、私の気持ちは曇りまくりでした。せっかく来たのだからと、小淵沢駅ジャージー牛乳で作ったキャラメル、山梨県御当地ハイチューを買いました。キャラメルはまろやかで美味しいです。スーパーの安いキャラメルとは違います。さすがはジャージー牛乳です。

列車に乗ったとき、本当に疲れて、新宿近くまで爆睡していました。新宿に着いたときは安堵の気持ちでいっぱいになりました。普段はゴミゴミ感半端なくて空気も悪い都会独特の雑踏が、このときばかりは、なぜかありがたく感じました。やはり、生まれも育ちも東京近郊の私には、何にもない田舎暮らしは難しいです。何より、思いもかけないTからの告白がかなり重くのしかかってしまったのかもしれません。

少しでも良い思い出を作ろうと、新宿駅ホームでチキン弁当を買い、自宅で食べました。チキンライスは良い炊き具合で、味もチキンの風味がしっかりしていて、唐揚げも油っこさもなくて、十分にお腹は満足でした。露天風呂からの南アルプスの山々の眺めが絶景だったこと、チキン弁当が美味しかったことは本当に救いでした。

 

やはり、タダより高いものはなし。旅行ではよほど親しい人、あるいは恋人ではない限り、タダで他人の家に上がるのは絶対にダメです。お金を払って宿泊施設に泊まるべきです。そのほうが旅行も楽しくなります。